ギターだけではなく、楽器・音楽全般をやる上で役に立つリズム練習について少し書きたいと思います。
自分は高校生の時自分のライブを見ていたプロギタリストの方に、裏が取れていないと言われたことがあります。
ギター初心者・入門者の方には聞きなれない言葉かもしれませんが、この裏というのは何なのかと言うと、リズムの裏拍
音符の偶数拍の事です。
8ビート(8分音符)で言うと2,4,6,8拍目、4ビート(4分音符)で言うと2,4拍目です。
基本の8ビートのスネアとバスドラムが鳴っていない部分に当たりますね。
この裏拍はウィークビートとも呼ばれ、スケールで言うアヴォイドノート(長く鳴らすといわゆる不協和音になる音)を鳴らしても違和感を感じ難かったり、例えばギターでミスしても分かり難かったりする
人間の耳には目立たない、弱く聞こえる部分なんですね。
ですが、4ビートで言うとバスドラの部分が表拍で、スネアが裏拍になります。
4ビートのスネアが目立たないかと言われたら全然そんなことは無いんですが、ここもウィークビートに当たります。
ギターは、ドラムの中でも主にスネアを聞きながらグルーヴ感というかバンドのノリを出していく楽器なので、この裏が取れるというのは非常に重要で(実際は楽器演奏者、ミュージシャン全員に重要なんですが)、裏がしっかり取れるようになっているギタリストの演奏はリズムが段違いで安定しますので、演奏にも安定感が出てきます。
裏拍を弾くギターっていうと、レゲエとかスカ(音楽のジャンルが分からないギター初心者・入門者の方は、ボブマーリーとか東京スカパラダイスオーケストラとか聴いてください)といったジャンルの音楽の
ン チャ ン チャっていう(アラレちゃんじゃないです。ンは休符とかブラッシング音で、チャがカッティングです。)リズムのギターですね。
あれも、パッと聞いた感じは簡単そうに聞こえますが、実際弾いてみるとというかちゃんと弾けるようになるまで練習すると実はめちゃくちゃ難しいです。
弾けている気になるまでは簡単に上達できるんで、ギター初心者の方には自分がちゃんと弾けているのか分かるまでに時間が掛かるんですけどね。
ベーシストやドラマーだと、リズム楽器という意識も強く自然と裏を意識した演奏が出来るようになるプレイヤーも居るのですが
ギタリストは派手なソロを練習したり、メロディーを弾いたりもするので、結構リズム楽器という意識が薄いことが多いので、裏というかリズムを意識して練習できる初心者の方というのは少ないです。
なので、裏拍を取れるリズム感を身につけて、他のギタリストとの演奏に差を付けて行きましょう。
リズム感の良いギタリストは、演奏が上手く聞こえますし、演奏ミスやノイズを出してしまってもあまり気にならない事も多いです。
常にリズムを意識して練習できると、リズムを意識していないギタリストとはギターの上達スピードも全然違ってくると思いますよ。
と言うことで、前置きが長くなってしまいましたが、裏拍を取るリズム練習のやり方です。
この練習にギターは必要ありません、ギターを弾きながらやってもいいんですけどね。
この練習方法は、自分が音楽の専門学校生時代に
箱バン(ジャズバーなんかで、楽譜を見ながら食事をしている人たちの前で生演奏をするバンド)のギターを弾いている人に教えてもらった方法です。
と言ってもこの練習方法は非常に簡単です。
まずメトロノームを慣らします。
早いとやり難いと思いますのでとりあえずBPM50とかゆっくりで良いです。
メトロノームが ピッ ピッ と鳴っていると思いますので
このメトロノームの鳴っている音の間に手拍子をします。
ピッ パン ピッ パン という感じですね・・・ちょっと分かり難いですね(笑)
要するに、メトロノームと自分の手拍子の音が常に同じリズムで交互に鳴るように練習すると言うことですね。
ギターが無くても出来るので、ちょっと空いた時間とか、ギター練習の休憩中とかにも出来るんですけど
毎日これをやるだけで、リズムの安定感が出てくるっていう練習方法ですね。
ギターの練習と併せてやるなら、先に紹介したスカのカッティングみたいにメトロノームが鳴っていないところにカッティングを入れたりするのも良いリズム練習になります。
この裏を取るリズム練習は、説明だけ聞くと簡単そうに聞こえますが実際にやってみると全然出来なかったりします。
初めてこの練習方法の取り組むギター初心者の方は、多分全く出来なくて手拍子のリズムが気づいたらメトロノームにつられて同じタイミングになってしまったりすると思います。
出来なくても安心してください。
ギターの専門学校に通ってプロを目指そうっていうようなギター演奏に自信のある高校生でも多分いきなり出来る人は殆ど居ませんので
メトロノームにつられてしまうというのは、自分の体内リズムというか自分が出すリズムが出来ていないということです。
簡単に言うと、周りのリズム(ドラムとかの音)に合わせるだけのギターを演奏をしてしまっている事になります。
もちろん、バンドの周りの音と合っていないというのは演奏として駄目なんですけど
お互いのリズムが一つになって、その演奏者同士でしか出せないバンドのグルーヴとかノリが出てきますし
ドラムが鳴っていない所で、イントロのギターリフとかカッティングとかを弾いたりする時も演奏のカッコ良さが全然違ってきます。
ロックとかJポップによくある、2コーラス目のAメロでドラムとベースがブレイクして(音を出すのを辞めて)、ギターのパワーコードだけのバッキングでボーカルが歌ったりする時も歌っているボーカルの気持ちよさが全然変わってきますので
この、裏拍が取れるとか、リズムが安定しているとか、ギターだけで自分のリズムをしっかり出せるっていうのは非常に重要です。
毎日5分とかでも良いのでコツコツ続けると、ギター演奏もリズムも上達してくる練習方法ですよ。
是非お試し下さい。
それでは
-ギター初心者上達委員会 管理人みち-