あなたは、音程の高さ(インターバル)の事をどのように表現していますか?例えば、ドとレの音程は1音とか、ミとラの音程は2音半というような表現をしていないでしょうか?
音楽理論では、専門的な音程(インターバル)の表現方法がありますので、まずは音程の呼び方を覚えていきましょう。
音楽理論上では、1度、2度と言うように表現します。
各音程の呼び方と意味は以下の通りです。
・1度
全く同じ音の事です。完全1度と言います。
同度やユニゾン(unizon)とも呼ばれます。
ギターが同じフレーズを弾く事もユニゾンと言うので、聴いた事があるかもしれません。
ギターのツインハーモ二ー(X JAPANやレーサーXのギターソロによくあるやつ)の事をユニゾンという方もいますが、ユニゾンという表現は実際には全く同じ音を弾く事で、あれはハモリです。
基準となる音なのでルート(根音・Root)と言う方もいますが、ルートはコードやスケールの最も低い音を表す言葉で、音程を表す言葉ではありませんので本来の意味としては違います。
例)
C(ド) と C(ド)
・2度
音程間が半音の場合短2度(マイナーセカンド・m2nd)
音程が1音の場合長2度(メジャーセカンド・M2nd)と言います。
例)
短2度=C(ド) と D♭(レ♭)
長2度=C(ド) と D(レ)
・3度
1音半の音程を短3度(マイナーサード・m3rd)
2音分の音程を長3度(メジャーサード・M3rd)と言います。
例)
短3度=C(ド) と E♭(ミ♭)
長3度=C(ド) と E(ミ)
・4度
2音半の音程の事を完全4度(パーフェクトフォース・P4th)
完全4度をシャープさせた音の事を増4度と言います。増4度は次に紹介する減5度と全く同じ音程です。
一般的に4度をシャープさせた場合に、この呼び方になります。
シャープイレブンス(#11th)と呼ぶほうが多いかもしれません。
例)
完全4度=C(ド) と F(ファ)
増4度=C(ド) と F#(ファ#)
・5度
3音半の音程の事を完全5度(パーフェクトフィフス・P5th)
完全5度を半音シャープさせた音を増5度(オーギュメントフィフス・#5th)
完全5度を半音フラットさせた音を減5度(ディミニッシュフィフス・♭5th)と言います。
増5度は、次に紹介する短6度と全く同じ音程で
減5度は、増4度と同じ音程です。
一般的に5度を臨時記号(♯や♭)で変化させた時この呼び方になります。
フラットファイブ・シャープファイブと言うことも多いです。
例)
完全5度=C(ド) と G(ソ)
増5度=C(ド) と G#(ソ#)
減5度=C(ド) と G♭(ソ♭)
・6度
4音の音程を短6度
4音半の音程を長6度と呼びます。
例)
短6度=C(ド) と A♭(ラ♭)
長6度=C(ド) と A(ラ)
・7度
5音分の音程を短7度(マイナーセブンス・m7th・ドミナントセブンス)
5音半分の音程を長7度(メジャーセブンス・M7th)と呼びます。
例)
短7度=C(ド) と B♭(シ♭)
長7度=C(ド) と B(シ)
・8度
音程が6音分の場合完全8度(オクターブ)と言います。
例)
短7度=C(ド) と 1オクターブ上のC(ド)
・9度以降
長・短・減・増と言った表現は1〜8と同じで、それぞれに7を足した数字で短9度、長9度と言うように表されます。
また、1オクターブと長2度と言うように何オクターブと何度と表されることもありますが
ギターの場合は、テンションネームで呼ばれる事が多いです。
例)
長9度であれば、ナインス(9th)、短9度はフラットナインス(♭9th)
11度であればイレブンス(11th)
長13度であればサーティーンス(13th)と言う具合です。
テンションについては、コードのテンションについてで説明しますのでここでは省略します。
※ギターの指板上では、1フレットが半音分の音程です。
全音(1音)であれば、2フレット分の音程という事になります。
1度から8度の音程をC(ド)を基準に五線譜で表すと以下のようになります。
┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ └────┘ └────┘ └────┘ └─―●♭┘ ●♭ ● ─●─●─ ─●─ ─●─ ─●─ 完全1度 短2度 長2度 短3度 ┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├──●♭┤ ● ●# └──●─┘ └────┘ └────┘ └────┘ ─●─ ─●─ ─●─ ─●─ 長3度 完全4度 増4度 減5度 ┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ●♭ ● ├──●─┤ ├──●#┤ ├────┤ ├────┤ └──―─┘ └──――┘ └────┘ └────┘ ─●─ ─●─ ─●─ ─●─ 完全5度 増5度 短6度 長6度 ┌─―──┐ ┌─―──┐ ┌─―──┐ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ● ├──●♭┤ ├──●─┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ ├────┤ └────┘ └────┘ └────┘ ─●─ ─●─ ─●─ 短7度 長7度 完全8度
上で解説した音程の呼び方を覚えておけば、他の呼び方には殆どお目にかかる事は無いと思いますが、音程の呼び方には法則がありますので感単に解説しておきます。
まず、完全音程という呼び方は1度・4度・5度のみに使用されます。
これらの音程の事を完全協和音程と言います。
そして、長音程・短音程は、それ以外の、2度、3度、6度、7度に使用されます。
これらの音程の事を不完全協和音程と言います。
増音程という呼び方は、完全音程や長音程を半音シャープさせた場合に使用され
減音程と言う呼び方は、完全音程や短音程を半音フラットさせた場合に使用されます。
さらに、増音程をシャープさせた音程を重増音程と呼び
減音程をフラットさせた音程を重減音程と呼びます。
これらの音程の事を不協和音程と呼びます。
また、高音と低音の上下関係を入れ替えた音程を、転回音程と言います。
転回音程は転回前と転回後の度数を足すと必ず9になり、音程の呼び方も長⇔短・増⇔減・重減⇔重増になるという規則性があります。完全音程は完全音程のままです。
例)
短2度の転回音程は長7度
完全5度の転回音程は完全5度
増4度の転回音程は減5度というようになります。
以上が、音楽理論的な音程・インターバルの呼び方についてです。