ボイシングとは、和音の構成音をどのように積み上げるかということです。
例えば、単純にCというコード(和音)を弾く際に、構成音はド・ミ・ソの3音だけです。
しかし、音はオクターブ上にも多数存在し、音を並べる順番、最低音(ベース音)や最高音(トップノート)をに何の音を持ってくるかによって響きや雰囲気が変わってきます。
これらの選択によって、楽曲やメロディーを際立たせる事も、引っ込めてしまう事も出来てしまいます。
ボイシングには一般的にオープンボイシングとクローズボイシングと呼ばれるものがあります。
オープンボイシングとクローズボイシングとは鳴らす音を五線譜で表した際の音符の密集度から付けられている呼び方です。
オープンボイシングは五線譜上では、音符が離れている(開いている)のでオープンボイシングと呼ばれます。
最低音と最高音の間が広くなります。
ギターで一般的に知られているコードフォームで和音を弾くと、オープンボイシングになります。
逆にクローズボイシングは、五線譜で表すと音符がきれい3度ずつ積み上がっている譜面になります。
ピアノやキーボードなどの鍵盤楽器で和音を弾くと自然にクローズボイシングになります。
オープンボイシングは弦楽器的な和音の響き、クローズボイシングは鍵盤楽器的な和音の響きになるという事を覚えておきましょう。
ギターの一般的なコードフォームによるCメジャーコードと、鍵盤で弾いた場合の和音を五線譜で表すと以下のようになります。
|-3-|---|---|---| |---|-R-|---|---| |---|-R-|---|---| |---|---|---|-3-| |-5-|---|---|---| |---|---|---|-R-| |---|---|-3-|---| |---|---|---|-5-| |---|---|---|-R-| |---|-R-|---|---| |---|---|---|---| |---|---|---|---| 0 1 2 3 3 4 5 ローコードのC セーハコードのC 鍵盤楽器で弾くC
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ギターのセーハコードが最もオープンボイシングで、鍵盤で弾くとクローズボイシングになるのがお分かりいただけるかと思います。
ギターコードでクローズボイシングを弾こうとすると、指のストレッチがもの凄い幅になってしまうのでギターで弾くと自然にオープンボイシングになります。
ギターでどうしてもクローズボイシングでコードを弾きたい場合は、開放弦を利用するか3和音でプレイするしかないでしょう。